私は、メロディにコードを付けるとき、小声でメロディを歌いながら、鍵盤でコードを当てはめていくというやり方をしています。
半寝の酔っ払いがピアノの弾き語りをしているかのように、ひとフレーズずつ、躓きながら、繰り返しながら、戻りながらなので、Aメロだけでも、ものすごい鍵盤を弾いた感が、手指とサスティンペダルの足に残ります。
子供の頃に、習い事から逃げ回っていた私が、両手で鍵盤を弾き始めたのは、高校の時になります。
1986年に、KUWATA BANDの『ONE DAY』という曲がリリースされました。
イントロがピアノだけで始まるスローナンバーです。
当時のキーボード系の雑誌に、この曲のピアノ譜が載っていて、がむしゃらに弾いた思い出の曲です。
出だしのコードはAm7。左手はラ、右手はミ・ソ・ラ・ド。
ピアノの弾き方などロクに知らなかった私が、この曲のピアノ譜を初めて見たとき、「え~っ両手で弾くの?この低音の方、端折っても大丈夫でしょ。」ぐらいの認識でしたが、
結局は、両手(左手ベース)弾きとサスティンペダルの重要性を、見事なまでに教えてくれた1曲になったのでした。
桑田佳祐さんの曲つながりで、もうひとつ。
1982年にリリースされたサザンオールスターズのアルバム『NUDE MAN』の最後に『Just A Little Bit』という曲があります。
この曲のAメロの部分で、ずっと不思議に思っていたこと、それが今でも私に「考えるでない!!」と教えてくれるのです。
Aメロのコードは頭から「G→F#m7→」と流れるのですが、F#m7のところでのメロディが「シ」で始まり、1拍半も引っ張るのです。
F#m7の構成音は「ファ#・ラ・ド#・ミ」で、「シ」は含まれません。
「シ」ありきで、無理やりコードを付ければF#m7sus4(?)ですが、これだと「ラ」を抜かねばならなくて、あの、茜色に染まった夕暮れのような尊い響きにはなりません。
もしかして、最初の「G(ソ・シ・レ)」の余韻?…とか考え始めることも愉しいのですが、とにかく曲作りを前に進めたい私としては、
「構成音 外すもアリね 気が向けば」と、標語風にしておきます。
作曲の作業をしていると、色んなミラクルに出くわすことがありますが、コード関係は特に「おおっ」の声が多く出ますね。
例えば、Bメロのところに間違ってインター(間奏)のオケ(コード進行)を貼っていて、気づかぬまま再生して、「え、何これ?」と、メロディまでもが新鮮で斬新に生まれ変わってしまうという、自分が作った曲じゃないような曲になることがあったりします。
…あとは、時間をおいて頭と耳をリセットしてから、Bメロの新バージョンをもう一度聞き直してみると、更なるミラクルに会えるかもですね。
あの、斬新に変わったと感激したメロディが、実は単なる不協和音の連続だったのだ…というミラクルに出会えたりします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
