現在、私が楽曲制作の作業をしている空間は、2004年頃に導入したYAMAHAのアビテックスという簡易防音室の室内です。
室内のスペースは1.5畳で、遮音性能を表す数値はDr-30と高くありませんが、特に支障なく使えています。また、エアコンも付けて快適に作業できる空間にしています。
<YAMAHA アビテックス MY ROOM> ※YAMAHA社当時のカタログから

この狭く暗い空間は、苦手で気が滅入るだけ…というクリエイターのレビューも拝見しますが、かつて押入れの上段で録音作業に没頭した私にとっては、今の作業空間がこの上なく快適であり、常に曲を誕生させる空間として長らく馴染んだ設備になってしまいました。
一時期、防音室の隣りにある明るい部屋にPCや周辺機材をセットし、防音室はアンプ録りや歌録りに使うという、真っ当なセッティングをしていたこともあったのですが、作曲作業中、屋外の雑踏がやたら気になり、集中できなくて、結局、防音室内での作業に戻ったのでした。
防音・遮音の目的は、出音を外に漏らさない…ということがメインだと思うのですが、私の場合、外の音を遮断して静かな空間を作る…という意味合いの方が強いようです。
まさに洞窟の中、それも一番奥に籠って作業をする感じですかね。
静かな空間であれば、モニター音もそれなりの音量で間に合いますし、集中も途切れることが無く、まぁ、静寂の空間が私の性格にも合っているのでしょう。
あと、この防音室の中にあるエアコンですが、元々6畳用なので、1.5畳の広さだと効きが良すぎて、いろいろと注意が必要でした。
といいますのは、防音室内の温度がPCや機材の熱で上昇し、これをエアコンで冷やそうとするとき、外気温よりも“高い”設定温度にしていた場合、たまにエアコンが室内の温度を上げようとして、一気に熱風&湿気を噴き出すことがあります。
こうなると、一気に防音室内の湿度が80%を超え、機材が霧吹きで水をかけたように曇りだすので、慌ててエアコンをシャットダウンします。
一応、エアコンが大量の湿気を放出する直前には、独特の香りがするという前触れがあるので、察知できれば被害はありませんが、防音室の外にいて気が付かなかったりするとアウトなので、長く離れるときはエアコンを切ったりしています。
調べたところ、これは故障ではなくて「湿気戻り」という現象だそうで、エアコンの設定温度をグッと下げれば良いとのことですが、下げれば下げただけ冷えるので、設定温度の決めどころがなかなか難しいところです。
ま、そんな独特のクセとも付き合いながら、この防音室の恩恵を長らく受け続けているところなのでした。
エアコンから大量の湿気が出て狭い室内の温度&湿度を上げるなんて、まるで防音室ならぬサウナですが、「機材が故障してしまう!!」と一瞬で冷や汗を存分にかけるので、すぐに整ってしまいます。
まさか、この防音室に、身体を整わせるという裏ワザの使い道があるとは、設計者も予想していなかったでしょうが、私はとても満足していますのでご安心を。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
