PCでリアルな歌声を再現する『Synthesizer V』ですが、このソフトの登場が、私の作業効率を大きく変えました。
以前はVocaloidを使用していましたが、リアルな歌唱ツールを求めていた私にはSynthesizer Vはうってつけでした。
登場して間もなくは、私のPC環境では致命的な不具合が多かったのですが、いつぞやのバージョンアップから全く別物のソフトのように安定性が増し、今では完璧な安定性を見せています。
私がSynthesizer Vを重宝している主な利点として、
(1) 歌詞とメロディの同時直しが自由自在
(2) コーラスワークの作りやすさ
(3) 作業しながら感情移入できる ~完成形のイメージのしやすさ~
が、挙げられると思います。
歌モノを作っていると、歌詞は変えたくないんだけどメロディにうまく歌詞が乗らなくて…ということが出てきます。
このとき、部分的に譜割りを変更するのですが、元のメロディからかけ離れたりしないよう、まとまりが悪くならないよう、即座に試行錯誤できるのは想像以上にありがたいです。
コーラスワークは、以前はとても苦手で面倒で敬遠したい作業だったのですが、Synthesizer Vのおかげで、かなり好きになりましたし、色々なアプローチを試せるようになりました。
あとは、何といっても、作業を進めながら「歌が聴ける」ので、その場その場での判断がしやすくなったのと、次の展開へのつながりが作りやすくなったですね。
やはりシンセメロでのメロディラインでは心を揺さぶる振れ幅が小さいのですが、歌声によるメロディラインになれば作ってる側の心の返答も大きくなります。
…と、とてもありがたい存在のSynthesizer Vですが、声の出始めの音程を下からすくい上げる「シャクリ」については、少し手作業での調整が必要かな…と感じています。
この「シャクリ」があってこそ、生っぽく聞こえるのですが、時として「シャクリが邪魔になる」場合があります。
コード進行で、若干転調ぎみの箇所で無理にシャクられると、「コード感が変」もしくは「歌が音を外している」の傾向になることがあるようです。また、バックのコーラス隊がシャクるとコードの響きが不自然に聞こえる場合があります。
Synthesizer Vには、数値でシャクリをいじるパラメーターがあるようですが、私には上手く結果が伴わないようなので、「1⃣ペンツールで直す」か、「2⃣短く分割する」のいずれかで処理しています。
<図解> ※クリックで拡大します



画像では細くて分かりにくいかもしれませんが、波のようにウネウネしている線がピッチ(音程)です。
図解の例では、「♪そ・お・い・え・ば~」の「ば~」のシャクリが、ベタ打ちでは「D#」あたりから始まりますが、手作業で元の音程である「F」のまま始めさせます。2⃣では「ば」を16分音符にして、後ろに「-」(のばす)をくっつけてやると、自動的に「F」の始まりになります。
あとは、オケ+コーラスと合わせて聴いてみて、不自然にならないかチェックします。
それと、このシャクリですが、スケールに合わせることで、不自然さが回避できることもありました。例えばCメジャーのキー曲で、シャクリの始まりが「F#」だったのを、構成音である「G」始まりに直したら綺麗に聴こえたという例がありました。
ただし、すべては、時と場合によりますので、自身の耳でしっかりチェックすることを忘れてはなりません。
このSynthesizer Vも「Studio2」が登場し、進化を遂げておりますが、ゆくゆくは、好きなアーティストの歌声を自由に再現できたら面白いな…と思う半面、アーティストの尊厳が護られるのかという不安もありますね。
そのうち、声そのものに著作権(?)が認められるようになるかも…ですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
