作曲をする中で、常に気にかけてしまうのが、作っている曲が誰かの曲の「パクリ」になっていないか?です。
自分が作った曲の歌メロが、他の方が作った歌メロと似通っていたときは、傘を持たずに外出して豪雨が降り出すような、言い知れぬショックを味わいます。
YAMAHA社「歌っちゃお検索」などの楽曲検索ツールのアプリを使ってチェックはしているのですが、「こんな、ありがちなメロディなのに…」でもヒットしない時もあれば、「あ、これはパクリと言われちゃうかも…」と全然想定外の曲と似通っていたりするので、似たもの探しも面白いものです。
もし、既存の曲と似通っていた場合には、少し変更を加えて、パクリと言われないよう別物になるよう微調整しています。
一方で、私の既存曲のメロディと、後から別の作者がメジャーリリースした曲の一部とが似通ってしまうという現象が起きることがあります。
私のアイデアが相手方に聴かれることがないとすれば、私が思うに、これはアイデアが時空を飛び越えて『シンクロ』し、同じ音像をアイデアとして聞いている現象だと信じ(?)ます。
私は、曲のアイデアの断片は「流しそうめん」みたいなもので、すくい上げないと流れ去ってしまうものと認識していますが、例えるなら、私が見たそうめんと同じものを別の方がすくい上げたのだと言えます。
一つ目のシンクロは、とあるメジャー女性アーティストの楽曲の一部で、ほんのワンフレーズなのですが、サビの2小節のメロディとコード進行が、ほぼ同じものとしてシンクロしています。シンクロ率95%です。
2022年の春にリリースされたこの曲のサビメロ2小節は、私が2019年の夏に楽曲コンペで提出した曲のBメロ2小節とほぼ同一で、この曲がFMラジオから流れてきたときは「あれっ?!えっ!」と耳を疑いました。
私がコンペに提出したこの曲(契約上の理由で公開できませんが)は、全くジャンルも方向性も違うアーティスト用であり、まさか流用はありえないと思うのですが、あまりにも「そのまま」だったので、最初は色々と疑ってしまいました。
と同時に、自分の中でアイデアとして浮かんだフレーズが、J-POPメジャーアーティストのサビのフレーズになるんだ…という、経験したことのないほどの誰かに自慢したい衝動が突き上げたことを憶えています。きっとムカつくほどのドヤ顔だったことでしょう。
当時、コンペで採用の無かった私にとって、ピカッ!と大きな希望の光が満ちたのでした。
二つ目のシンクロは、2025年4月に公開された映画の主題歌、サビの部分なのですが、2024年12月に私がリリースしたMusk5ccの『桜の小径』のサビとシンクロ率70%で合致していました。
『桜の小径』をリリースした数カ月後に、この映画の予告編を見たのですが、主題歌である合唱曲がバックに流れ、「あれっ?!なんで?」と一瞬息を吞みました。
<桜の小径 Musk5cc> ©2024 Koguma Onken
映画主題歌の元曲は、ユニットで制作されたもののようで、いつ制作されたのかは分かりませんが、映画に向けてだとしたら、タイミング的に私が『桜の小径』に取り掛かっていた2024年の秋ごろで同時期だと思います。まったくのシンクロになっていたのではないでしょうか。
この、曲の一部が似通ってしまうという現象は、その部分のメロディとコードだけを抜き出すと、どうしても出てくる事象なのでしょう。作る側の私としては、作曲のプロセスを思えば致し方ないことだと思います。もちろん意図的なパクリは盗人の行為なので論外ですが。
私が驚くのは、このシンクロした相手の曲に出会うこと、その偶然にです。
自分がすくい上げた、胸に引っかかるメロディの断片を、他の誰かも同様に素敵なメロディだと感じて形に残したという、その行為のシンクロが、何とも言えない真ん丸な空間を共有しているような、さらなる嬉しさにつながるのです。
この出会いは、作曲を続けていて良かったなと思える一コマであります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
