今から20年も前のことですが、私がバンドで演奏していた頃、地元の道の駅の駐車場で演奏する機会がありました。イベントの催し物の一つだったと記憶しています。他に出演者は無く、ウチらだけで午前と午後の2回の出演でした。
この時は、全てオリジナル曲だったので、聴きに来た人達には、初めて耳にする楽曲だったと思います。
聴きに来たといっても、人々は通りすがりで、歩きながらチョロっと覗いていく感じの雰囲気でした。
そんな中で、ボーカルの女性が書いたスロー系の曲をやり始めたら、人々が足を止め始め、こちらを見ながら聴いている様子に変わったのでした。
「ヨシ」と、ちょっと緊張が増してきましたが、悪い気分ではありません。
そして、次の曲、私が書いた少しハード目な曲が始まった途端、聴いていた人々が散り散りに歩き出し、元の通りすがりで聴くライブに戻りました。
楽曲の作者としての私は、色々な思いが巡りましたが、足を止めてまで聴いてもいいと思う歌声とは、どういうものかを考えさせる一幕であったことは、今でも忘れません。
楽曲と歌声と、聴きやすさと、伝えようとする意思と、聴く側の受け取り方と。
それぞれの要素に、個々に没頭しすぎず、バランスが良かったのか。
あの時、なぜ人々が足を止めたのか、たぶん、一生かけての答え探しだと思います。
そういえば、あの日、2回の出演のうち、午前は緊張しながらだったのが、午後のは、すっかりマッタリ気分で演れたのが面白かったですね。
ただ、帰りの車中では、散り散りに歩き始めた人々の情景を、私はリフレインしながら何かを思ったはずですが、もう、それは憶えていません。
ひとつ確かなことは、スロー系の作曲に力を込めるようになったこと…ですかね。
試練は、人を未開拓地へと後押しさせますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
