交換条件は一度だけ 《楽曲紹介》

Musk5cc『H-side』に収録している『交換条件は一度だけ』の紹介です。

90’sっぽい、ふやけた爽やかな感じのイントロで始まり、素直な歌い出しから歌謡曲っぽいリフレインでのサビまでが一回りです。

最初は、Bメロとサビの間にあるマイナー系Cメロが無かったのですが、物足りなさを感じ、アクセントとして付け足しました。

このCメロは、アイデアストックから掘り出したものですが、比較的最近のもので、いかにも歌謡曲っぽい雰囲気で、最初はこの曲の雰囲気に馴染むかなと不安だったのですが、意外とマッチしたので、そのまま使っています。

このところ、気分からか、転調をバリバリ入れるようになってますが、この曲でも、最後のサビでは全音上げてます。

フレーズをリフレインさせるとなると、出しどころが結構難しくて、印象付けるには効果的なのですが、前後のバランスと全体のバランスを考えないと、ただ『しつこい』だけになるので見極めどころが難しいです。

作者としては、聴かせたいメロなので、何回でも繰り返したいところなのですが、聴く方の立場で考えてみて、鬱陶しいラインを越えるのはどこなのか、その一歩手前で収めるようにしています。

20年前くらいの作曲の指南書に、『リフレインは3回まで』とか書いてあったのを鵜呑みにしてやってましたが、聴き返してみると鬱陶しい気まずさが漂うのを堪えきれず、その場その場で判断を変えてやってます。

なので、アイデア段階ではリフレインだったのが、作曲段階で1回だけになるなど、すでにリフレインではないのですが、そんな作り方もしています。

一方、歌詞の方は、相変わらず意味がよく分からないと言われそうですが、一言で言うと「やったことは、振り子みたいに帰ってくるのだ。」という物語を文字にしたとのことです。

振り子とは…ですが、右・左に揺れているように思えますが、振り子の玉(?)としては、中心(ゼロ)に向かおうとして、行き過ぎたところでまたゼロに戻ろうとしているのの繰り返しだというのです。

そのうち、摩擦や空気抵抗により、最後は中心のゼロ点でピタッと止まるのを目指し続けているだけだと言っています。

例えば、大昔、私が楽曲を作ることを夢見て、労働の稼ぎを機材に充て、ひたすらピンポン録音にいそしんだ過去があったとすると、その分の世間知らずな行動力が振り子を左に揺らします。

左に揺れた振り子は、中心(ゼロ)に戻るべく右に振れます。

このとき、右に振れる大きさは、過去の行動力の分と同じに見えますが、ちょっとだけ小さくなってます。ゼロに戻ろうとするからですね。

この話は、『行動した分の見返りがある』の他に、『実は見返りを出したくて出しているのではなく、ゼロに戻りたいから“しかたなく”出しているんだ。』との意味を含みます。

なので、単なるゼロに戻りたいがために生まれた見返りを自分の武勇伝にしたり自慢したりすることは、実に滑稽だということと、物事は結局プラスマイナスゼロで帳尻が合うようになっているのでしょうということを、滲ませたとのことです。

つまり、行動の報酬はトレード1件につき1件で、わずかな利息が取られますよ…ということを表したかったとのことです。

私としては、今だに受け取っていない見返りを、大いに期待したいのですが、その塩梅が目に見えないあたりが、サプライズの演出なのでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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