アイデアがプラグインを覚えさせる 《アレンジ》

古い言葉に、「恋は人に文字を覚えさせる」というのがあります。

恋焦がれる異性に、高ぶる感情を表現して伝えるために、これまで使ったことのない表現や文字を使うことになる…というものでしょうか。

はるか昔、LINEやメールなどのデジタルツールが無いころの話なので、手紙に書くというシチュエーションなのですが、覚えるのが文字だけでなく、抱いた感情まで覚えることができるというものでした。

これが、作曲・アレンジで言うところの、頭の中で鳴り響いている『アイデア』を、いかに音像として表現していくか…というとことに相通じる気がします。

アイデアは、それまでに出したことのない発想ほど、なんとか表に出そうとするもので、あれでもないこれでもないと、試行錯誤の末にポトンと転がり落ちるようなものが多いです。

例えば、サビが終わるキメのフレーズからインター(間奏)までの部分のアイデアがあったとして、メロディとコードだけでは基礎しか成り立たないアイデアがあります。

このとき、ポイントになるのは、インターに入る瞬間、サビ終わりの余韻と、インターで鳴り響くメインフレーズの音色です。

ここをイメージに近づけるのに、手持ちのプラグインであれこれ音を当ててみますが、明確なアイデアのイメージがあると、プラグインで触ったことのないパラメーターや画面までのぞき込んでいじるようになります。

結果、手持ちのプラグインの使い方の幅が広がり、曲は出来るわ、プラグインの使い方は覚えるわで、一石二鳥といったところです。

それほど『アイデア』が持つ方向性には強いものがあります。方向性がワガママであればあるほど、試行錯誤で難儀することを強いられますが、すべて自身の血となり肉となっているので、今振り返ってみると、高ぶる感情を伴ったアイデアは捨てずに大事にして、楽曲の一部に昇華してあげることが、モチベーションも伴って長く続けられるコツでもあったのかなと思い起こされます。

私がはるか昔に書いた恋文で、願うとおりになった結果のものは無かったので、せめて、曲のアイデアに関しては、すべて願う通りにしてあげたいという、そんな心の働きが、アイデアの具現にしつこさを与えているのかもしれませんね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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